Wednesday, May 25, 2005

選挙二題

メタに投票ページを作って、スチュワードの選挙が行われている。31日まで。


WMF activity index for Wikipedia (over 1,000 pts.)再掲。
ただし隣に今回Stewardに立候補した人の数を添えた。

  1. en: 61466.5 2
  2. de: 25048.5 -
  3. fr: 9425.6 2
  4. ja: 8693.8 -
  5. nl: 5118.8 2
  6. pl: 4989.5 1
  7. es: 4133.8 1
  8. sv: 3824.4 -
  9. it: 3174.9 1
  10. pt: 2791.1 -
ほか、zh 中国から一人。

ち なみに、選挙が突然先週頭に始まるまでは、de, fr, ja からそれぞれさらに 1人、2人、1人関心を示したユーザがいるが、結局出なかった。理由はさまざまである。事情がかわったり、選挙なら出ないと以前から 表明していたり。

逆にそれまでまったく意向を示さなかった人が出てきたりするのが面白い。

個人的に興味を持っているのは、どこのユーザがどれだけ出てきてい るかちいうこと。選挙はfoundation-l では告知されたし、たぶん wikipedia-l でも知らせがいっている。一部のプロジェクトの井戸場(VP)にも知らせが出た、というより出した人がいる。だけれどどれだけ知られているのかはあまりさだかでない。

投 票している人の主な活動場所をみると、それぞれ候補者のいる言語のプロジェクトの人が多い。 たとえばフランス語、オランダ語、イタリア語、スペイン語、 中国語。逆に候補者がいないと関心をもたないようで、ドイツ語(De)からはほとんど投票者がいな い。Jaはこれは私が見落としただけかもしれな いが、いまのところ知った名前がない。候補者だけならともかく、 誰も投票している様子がない。これは告知があまりされなかったからなのか、やはり候補者がいないことに起因するのか、日本語のできる候補者が今回だれもい ないのでさらに関心が冷えるのか、あるいはボットがあまり使われていないというJaの特殊事情が響いているのか。大きな言語版でスチュ ワードの存在を感じるのは、管理者権限の停止かまたはBotフラグの付与のときである。そしてどちらもあまりJAWPとは縁がない)。

意 欲的だな、と思わせるのは中国語。中国語版から候補者がいるので、その ためにメタにアカウントをつくり、投票する。これを「国際的なコミュニティにかか わっている」というのは飛躍しすぎだと思いつつ、しかしたいていの場合、メタにはじめて人が関わるのは投票であることが多いので、中国語版から人が出たこ とは、中国語版の多くのユーザが汎言語的で国際的なコミュニティに関わっていく、きっかけにはなるだろうとも思う。中国語版は、財団広報に関する関心の高 さでは、すでに日本語版よりは強いコミットメントをみせている。あるいはこれは、北京との関係を考えると、財団の活動を直接間接に支援し、そのプレゼンス を増すのがよいという判断なのだろうか。こうした政治的な駆け引きとある意味無縁なところにいる(ことのできる)日本語版プロジェクトは幸せだと思う。

Sunday, May 01, 2005

WMF activity index

BjarteSorensenの WMF活動度指標。作り方はZachte統計の項目数にアクティヴ・ユーザ(月に5回以上投稿)をかけ、平方根を求めたもの。対象はウィキペディア。1000以上のものをすべて書き出してみた。

WMF activity index for Wikipedia (over 1,000 pts.)

  1. en: 61466.5
  2. de: 25048.5
  3. fr: 9425.6
  4. ja: 8693.8
  5. nl: 5118.8
  6. pl: 4989.5
  7. es: 4133.8
  8. sv: 3824.4
  9. it: 3174.9
  10. pt: 2791.1
  11. zh: 2579.9
  12. fi: 1754.4
  13. ru: 1705.0
  14. he: 1691.7
  15. no: 1590.6
  16. da: 1359.4
  17. bg: 1077.5

いくつか面白いことに気がつく。たとえば
  • い くつかのところで、項目数ランキングとの差異が見られる。たとえばフランス語版の数字は日本語より上だ。これはアクティヴな投稿者の数 でフランス語版が日本語版を超えていることを反映している。同様の逆転がスペイン語版とロシア語版に見られる。この二つはどちらも最近メタで活発なのも無 関係ではないと思う。
  • 上位にはすでに支部のあるところ、設立の話が出ているところが多い。ないのは、ja, es, sv といったところ。支部設立の話があったルーマニア(ro)でその後どうなったかを知らないのだが、ここに出てこないということが、そもそもコミュニティの 規模からみて時期尚早であった可能性を示唆するのかもしれない。なお、英語版には全英支部と全米支部のふたつの地方支部設立の話が持ち上がっている。
  • 昨 年は北欧系躍進の年だったが、いわゆる Skanwiki, 北欧系言語はここでも元気である。粗い数字だが、この指標をすべて足し挙げてみたら、ほぼ ja に匹敵する数字になった。ここにはアイスランド語がないので、それを足すと ja よりさらに上にいくかもしれない。言語の差がほとんどなく、お互いの言語で、書いてあれば読めるともきいた。多言語交流で言語の壁というのはやはり大き い。残念ながら東アジアではこうはいかないだろう。
  • 最近の実感として、オランダ語版はポーランド語を離しつつある、という気がしているのだが、指標でも上回っており、それが裏付けられたように思う。
時折、日本語版からもっと人を出してほしいということをいわれるのだが、たしかにFrやNlに比べるとメタのことどもや他の多言語プロ ジェクトにかかわっている人が少ないと思う。とくにユーザ数の少ないNlがあれだけ多様な展開をして、人も出していることを考えると、なぜJaはそうでな いのかという疑問の声がくるのも、しょうがないのかなと思う。やはり語学の壁が大きいのだろうとは思うが、それでももうちょっと関わる人が出てきてもよさ そうなものだ。それとも、もうひとつ日本語版ウィキペディアの特徴である急激な成長率ということがあって(とはいえ最近は微妙な鈍化をみせているようにも 思う)、それに対応するだけでいっぱいいっぱい、ということなのだろうか。

ともあれもうすぐまた選挙。この現状を反映する結果が出てほしいと思う。